
合格率は、対象となった受験者のうち合格した人の割合
資格を調べると、「合格率○%」という数字を見かけます。高ければ簡単そう、低ければ自分には難しそうと感じるかもしれません。合格率は試験を考えるための情報の一つです。数字の意味と、どの人たちを対象にした結果なのかを知ると、必要以上に不安にならずに判断しやすくなります。
合格率は、対象となった受験者のうち、合格した人がどのくらいいるかを割合で表した数字です。受ける人全員の力が同じではないため、その数字を自分の合格する確率と同じに考えることはできません。試験の内容や自分の準備と合わせて見ることが大切です。
合格率の計算は、合格者数を受験者数で割る
基本の計算は、「合格者数÷対象となる受験者数×100」です。例えば、100人が受けて40人が合格したとすると、合格率は40%になります。40人に対して60人が不合格だった、という結果を表します。誰が受けても40%の確率で合格する、という意味ではありません。
この100人と40人は、計算を説明するための仮の数字です。実際の試験の結果を読むときは、受験した人数と合格した人数がどう示されているかを確認します。公表される割合には、小数点以下を丸めたものもあります。細かい差だけで難しさを決めず、全体の傾向を見るようにしましょう。
| 仮の受験者数 | 仮の合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 100人 | 40人 | 40÷100×100=40% |
| 200人 | 100人 | 100÷200×100=50% |
| 1,000人 | 700人 | 700÷1,000×100=70% |
数字の見方が分かると、受験者の数が違っても比較できます。100人中40人と、1,000人中400人は、どちらも40%です。合格者の人数だけを見ると後者のほうが多く見えますが、割合は同じです。人数と割合を分けて考えることが、試験のデータを読む最初の一歩になります。
申込者数と、実際に受けた人数は違うことがある
試験に申し込んでも、当日に受けなかった人がいる場合があります。そのため、申込者数と実際の受験者数は同じとは限りません。合格率を計算するときに、どの人数を使っているかを確認しましょう。結果の表に複数の人数が書かれているなら、見出しの意味を読むことが大切です。
例えば日商簿記の統一試験の結果では、申込者数と実受験者数、合格者数が分けて示されています。表を読むときは、合格者がどの人数に対する割合なのかを見ます。別の試験と比べる場合も、対象となる人数の条件をそろえましょう。数字だけを切り取ると、意味を取り違えることがあります。
受験者の経験や準備によって、結果の見え方は変わる
受験者には、初めて学ぶ人も、実務で長く使っている人もいます。十分に準備した人と、学習が途中の人が同じ試験を受ける場合もあります。経験や学習の状況が違う人たちの結果を一つにした数字なので、合格率だけから初心者の難しさを読み取ることはできません。
受験に条件がある試験では、決められた学習や経験を持つ人たちが受ける場合があります。その結果と、誰でも申し込める試験の結果を、そのまま同じ意味で比べるのは難しいことがあります。対象となる人を考えながら、試験の範囲や必要な準備も見るようにしましょう。
同じ資格でも、級や方式ごとに確認する
級のある資格では、級によって学習範囲や求める力が違います。全ての級をまとめた数字では、自分が受けたい級の結果が分かりにくくなります。まず正式名称と級を確認し、その級のデータを見ましょう。学科と実技など、複数の試験がある制度では、何の結果なのかも確かめます。
試験方式ごとに結果が公表される場合もあります。日商簿記では、統一試験とネット試験のデータが分けられています。受験する時期や集計する期間が異なるため、割合に差があっても、それだけで一方が簡単とは決められません。自分が受ける方式の内容や日程も合わせて確認します。
一度の合格率だけで、毎回の難しさは決められない
同じ試験でも、回や年度によって合格率が変わることがあります。出題内容や受験者の構成などが関係する可能性がありますが、数字だけで原因を一つに決めることはできません。過去の複数の結果を見ると、上下する幅や大まかな傾向を確かめやすくなります。
学習範囲や試験の制度が改められた場合は、古い結果と今の試験を同じ条件で比べられるかも考えます。何年も前の数字だけを見て計画を立てると、必要な準備がずれることがあります。受験する時点の範囲と方式を確認し、合格率は学習の計画を考える情報の一つとして使いましょう。
合格率と合格基準は、違う数字
合格率は、合格した人の割合です。合格基準は、試験で合格と判定されるための条件です。例えば、決められた得点以上が必要だったり、分野ごとの基準を満たす必要があったりします。この二つを混同すると、「合格率が70%だから70点で合格」といった誤解につながります。
自分の勉強で目標にするのは、その試験の合格基準に対応した理解と得点です。合格率が高い試験でも、必要な得点に届かなければ合格できません。問題を解いて、どの分野で点を落としているかを確認しましょう。合格率を見ることと、自分の学習の進み具合を測ることを分けて考えます。
初心者は、問題例を解いて自分との距離を確かめる
合格率を見たら、次は問題例や参考書に目を向けてみましょう。知らない用語が多いか、計算や操作の練習が必要かを確かめます。今は解けなくても、解説を読んで理解できるところがあれば、学習を進める手がかりになります。自分が準備する内容を具体的にすることが大切です。
時間を計って問題を解くと、知識以外の課題が見えることもあります。理解はできても、読む速度や見直す時間が足りない場合があります。間違いを、知識不足、読み違い、時間不足などに分けてみましょう。数字への不安を、自分が取り組める復習や練習へ変えやすくなります。
合格率は、数字の背景と自分の準備を合わせて見よう
合格率は、対象となる受験者のうち合格した人の割合を示します。受験者の条件、級、試験方式、集計した時期を確かめると、意味を正しく理解しやすくなります。高いから必ず受かる、低いから挑戦できないと考えず、試験の範囲や合格基準も一緒に見てみましょう。
自分が合格を目指せるかを考えるには、合格率より一歩進んで、今の理解と必要な準備を確かめることが大切です。問題例を試し、復習したい内容を見つけます。数字を学習の入口にしながら、自分の力を伸ばす計画を作っていきましょう。
