
過去問は、回数より自分で答えを選べる状態を目指そう
資格の勉強で過去問を使うとき、三回解けばいい、五回繰り返せば安心など、回数を目標にしたくなることがあります。繰り返すことは練習になりますが、同じ答えを覚えただけでは、条件が少し変わった問題に対応できない場合があります。何回解いたかと、理解して答えられるかは、分けて考えることが大切です。
過去問は、出題の形を知り、知識を使って答えを選び、間違いを直すために使います。一回目、解き直し、時間を測る練習で役割を変えると、回数を増やすだけの勉強になりにくくなります。答えを見ずに理由を説明できるかを、次に進む目安にしましょう。
最初は、試験で何を聞かれるかを知る
過去問とは、以前の試験で実際に出された問題です。主催団体が公開しているものや、解説を付けた市販の問題集があります。試験によっては全問が公開されないこともあるので、公開問題、例題、予想問題を区別して確認しましょう。予想問題を実際の過去問と思い込まないことも大切です。
初めて見ると、専門用語が多くて難しく感じるかもしれません。最初から全部を解ける必要はありません。選択式か記述式か、どの範囲が問われるか、計算や操作があるかを確認する段階と考えます。問題の形が分かると、テキストを読むときに注目する内容も具体的になります。
一回目は、分かる問題と分からない問題を分ける
基本の学習を進めたら、分野ごとに過去問を解いてみましょう。答えを見ずに解き、正解でも自信がなかった問題には印を付けます。確かに分かった、迷って選んだ、手が止まったというように分けると、点数だけでは見えない状態を確認できます。分からない問題に時間を使いすぎないことも必要です。
採点したら、問題文の条件と解説を比べます。用語を知らなかったのか、似た言葉を取り違えたのか、計算の途中で間違えたのかを確認しましょう。間違いの理由が分かれば、テキストのどのページに戻るか、どの手順を練習するかが決まり、解き直しにつなげられます。
| 取り組む段階 | 過去問の使い方 | 次に進むときの確認 |
|---|---|---|
| 試験を知る段階 | 問題の形式と範囲を見る | 何を練習するか分かる |
| 一回目の練習 | 答えを見ずに解いて分類する | 苦手な問題を見つける |
| 解き直し | 間違えた理由を直して再挑戦 | 理由や手順を説明できる |
| 直前の練習 | 時間を測ってまとめて解く | 時間配分と見直しを確認する |
二回目以降は、苦手な問題に時間を使う
一回目に確実に解けた問題まで、毎回同じ量で繰り返す必要はありません。間違えた問題、迷った問題、説明できない問題を中心に解き直してみましょう。解説を読んですぐなら答えを覚えていることもあるので、別の勉強を挟んだ後に、何も見ずに解けるかを確認します。
同じ問題で何度も間違えるなら、回数を増やす前に理解の出発点を見直します。計算の式だけ覚えても、なぜその式を使うのか分からなければ、条件が変わると止まることがあります。基本の例題に戻り、数字や言葉を変えて考えると、どこでつまずいているかを確認しやすくなります。
選択式では、正解以外の選択肢も確認する
正解が二番だったと覚えるだけでは、選択肢の順番が変わった問題に対応できません。正しい理由と、他の選択肢が違う理由を確認しましょう。言葉の一部を変えると正しくなる選択肢があれば、どこが違うかを自分で説明してみます。知識の区別ができているかを確かめる練習になります。
すべての選択肢について長いノートを作る必要はありません。迷った言葉や条件を一言で残すだけでも、次の復習に使えます。細かい説明を書き写す時間が増えすぎたら、問題を解く時間との配分を見直しましょう。資料を作ることと、答えを選べるようになることを分けて考えます。
計算や記述は、答えまでの過程を確認する
計算問題では、最終的な数字だけでなく、条件の読み取り、式、途中の計算を確認します。正しい答えでも偶然合っていた場合があるので、同じ手順で解き直せるかが大切です。使う単位や小数の処理など、試験で指定される条件も読み落とさないようにしましょう。
記述問題なら、必要な言葉や条件を自分で書けるかを確かめます。模範解答を読んで分かったつもりでも、白紙から書くと説明が足りないことがあります。自分の解答と解説を比べ、何が不足したかを確認しましょう。採点基準を確認できる教材や指導を使う方法も考えられます。
古い問題は、今の試験範囲と答えを確認する
法律や税制、制度、ソフトの機能などが変わる試験では、以前の正解が現在もそのまま使えるとは限りません。古い年度の問題を使うときは、受ける試験の基準日や出題範囲に合っているかを確認します。年度に対応した解説がある問題集なら、変更された部分も確かめやすくなります。
問題が古いからすべて使えないというわけではありません。基本の考え方を確認できる問題もあります。変更を自分で区別しにくい場合は、現在の試験に対応する教材を中心に進めましょう。範囲から外れた問題を何度も解くより、今必要な内容を練習することが大切です。
本番の練習用に、初めて解く問題を残しておく
同じ問題を繰り返すと、読む前から答えを思い出す場合があります。点数が高くても、初めての問題に対応できるかは別に確認が必要です。使える問題が十分にあるなら、一部の年度や模擬問題を本番形式の練習用に残しておく方法があります。問題の記憶による影響を少なくして確認できます。
時間を測って解いた後は、点数と一緒に時間配分も見ます。前半で長く迷った、見直しができなかった、最後に読み違えたなど、直前に調整できる課題が見つかります。同じ問題集で高得点になったことだけを基準にせず、初めての問題でも理由を考えて答えられるかを確かめましょう。
必要な回数は、問題ごとに変えてよい
一度で理解できた問題もあれば、何度も確認が必要な問題もあります。すべて三回と決めるより、答えを見ずに解けるか、理由を説明できるか、しばらく後でも解けるかを見て回数を選びましょう。繰り返しても分からない問題は、基礎に戻ったり、別の解説を使ったりする判断が必要です。
過去問を何回解けばいいか迷ったら、回数の目標に加えて、何ができるようになったかを確認してみてください。出題の形を知り、間違いを直し、本番に近い条件で練習する。この役割を意識して使うと、過去問が自分の弱点を見つける教材になり、次の勉強も選びやすくなります。
