
過去問は、試験の聞き方と自分の弱点を知るための教材
資格の勉強方法を調べると、「過去問を解こう」という話をよく見かけます。過去問とは、以前の試験で実際に出題された問題のことです。初めて受ける人にとって、どのような形で知識を聞かれるかを知る手がかりになります。参考書を読む学習と組み合わせて、試験への準備に使えます。
過去問が大切なのは、答えを丸暗記するためではなく、問題の形式を知り、理解が足りないところを見つけられるからです。試験によって公開の方法や範囲は異なり、過去問を公表していないものもあります。主催者が公開する問題やサンプル問題など、利用できる教材を確認して進めましょう。
過去問・サンプル問題・模擬問題は同じものではない
過去問は、以前の試験で出題された問題です。サンプル問題は、試験の形式や内容を示すための見本です。模擬問題は、試験に向けた練習として作られた問題で、実際に出題された問題とは限りません。教材にどのような問題が収録されているかを確認すると、目的に合わせて使い分けられます。
試験の実施方式によっては、過去の問題全体が公開されず、公開問題や例題などを利用する場合があります。例えば、日商簿記ではサンプル問題が案内され、ITパスポートでは問題冊子と解答例が公開されています。全ての資格に同じ年数分の過去問があるとは考えず、自分の試験で使えるものを探しましょう。
学習用の問題を選ぶときは、誰が公開・作成したものかも確認します。主催者の解答例には正解が示されていても、詳しい説明が付いていない場合があります。独学なら、解き方の説明がある教材を組み合わせる方法もあります。問題の入手と、答えの理由を理解する学習を一緒に考えましょう。
参考書の知識が、どう問題になるかを知る
参考書を読んでいても、試験でどのように聞かれるかが分からないことがあります。問題を見ると、用語の意味を選ぶのか、事例から判断するのか、計算して答えるのかなどが分かります。同じ知識でも、条件を読み取って使う練習が必要になる場合があります。学ぶ内容と試験の聞き方をつなげてみましょう。
問題文の長さや、選択肢の数、解答の方法も確認できます。紙に書く試験とパソコン上で答える試験では、練習したい操作が変わることがあります。公開された問題だけで画面操作まで再現できるとは限りません。操作の体験案内などがある場合は、問題演習と分けて確認すると準備しやすくなります。
初めてでも、少し眺めるところから使える
基礎を学んでいない段階で、全ての問題を解ける必要はありません。最初は数問を眺め、何を聞かれているかを知るだけでも役立ちます。分からない用語が多いなら、入門教材で基本を学びます。学習した項目の問題を少しずつ解くと、説明だけでは曖昧だった部分を確かめられます。
最初の点数が低くても、今後の合否を決めるものではありません。まだ学んでいない分野と、学んだのに迷った分野を分けて見ます。問題が難しく、解説も理解できない場合は、基本問題へ戻る方法があります。過去問を使う時期を一つに決めず、学習の段階に合わせて量と難しさを変えられます。
間違えた問題から、復習する場所を見つける
問題を解いたら、正解数だけで終わらせず、間違えた理由を確認します。用語が分からなかったのか、条件を読み落としたのか、計算の途中で間違えたのかを分けます。同じ不正解でも、必要な練習は違います。原因が分かると、参考書のどの項目へ戻るかを考えやすくなります。
正解していても、勘で選んだ問題や理由を説明できない問題は復習の候補にします。答えを見た直後だけ解ける状態と、自分で考えて答えられる状態を区別しましょう。解説を理解してから解き直し、数日後にも確認します。間違えた問題番号と理由だけ記録すれば、長いノートを作らなくても振り返れます。
| 問題を解いた結果 | 見直すこと | 次の取り組み |
|---|---|---|
| 言葉の意味が分からない | 基本用語の理解 | 入門説明を読む |
| 条件を読み違えた | 問題文で確認した箇所 | 条件を整理して解き直す |
| 計算や手順で間違えた | 途中の考え方や操作 | 基本の手順を練習する |
| 正解したが理由が曖昧 | 勘や答えの記憶に頼っていないか | 理由を説明して確認する |
慣れてきたら、時間を計って取り組む
基礎が身についてきたら、試験時間を意識した練習も考えられます。最初は問題ごとに考え方を確かめ、後から一回分の演習で時間の使い方を見ます。解ける問題でも時間がかかりすぎることがあります。どの分野で迷うかを知ると、追加したい練習が具体的になります。
試験の時間や問題構成は、受ける回や方式の案内に合わせます。過去の形式がそのまま今の試験と同じとは限りません。現在の試験に近い模擬問題などを組み合わせる方法もあります。一度解いた問題は答えを覚えている場合があるため、その得点だけで本番の合格を判断しないようにしましょう。
古い問題は、今の範囲や制度との違いを確認する
法律、税制、制度、技術などが関わる分野では、以前の正解が今の内容に合わない場合があります。問題が出題された時期と、受ける試験の対象範囲を確認します。古い問題をたくさん解くことだけを目標にせず、現在の教材で変更点を確かめながら使いましょう。
過去に出題されていないからといって、今の範囲の項目を学ばなくてよいとは言えません。新しい分野が追加されたり、聞き方が変わったりすることがあります。過去問は準備の材料の一つです。試験範囲の学習、基本問題、現在の形式に合う練習と組み合わせると、足りない部分を補いやすくなります。
答えの暗記より、考え方を説明できるようにする
同じ問題を繰り返すと、選択肢の場所や数字を覚えることがあります。その問題に正解することと、考え方が身についたことは別です。選んだ理由や、ほかの選択肢が合わない理由を確かめてみましょう。計算なら、使う式や条件を自分で説明できるかを見ると、理解の確認になります。
過去問は、試験の形式を知り、自分の弱点を見つけ、復習と時間配分に生かすために使えます。使える公開問題を確認し、基本の解説と行き来しながら進めましょう。解いた問題の数だけでなく、以前迷った内容を自分で考えられるようになったかを確かめることが、次の学習につながります。
