
家計・保険・年金など、暮らしのお金の基本を知ろう
「FP3級」という名前を聞いても、何を学ぶ資格なのか分かりにくいかもしれません。投資の専門家になる資格、銀行で働く人だけの資格という印象を持つ人もいるでしょう。FPの学習では、家計、保険、年金、税金など、暮らしに関わるお金の知識を幅広く扱います。3級は、その基本を学ぶ入り口として考えられます。
FP3級は、生活や将来のお金を考えるための基礎知識を学ぶ資格です。正式には3級ファイナンシャル・プランニング技能士を目指す技能検定です。名前は長くても、学ぶ内容には身近なものがあります。どのようなことを知るのか、生活の場面と合わせて見てみましょう。
FPは、お金の面から生活の計画を考えること
FPはファイナンシャル・プランナーの略です。ファイナンシャル・プランニングでは、今の収入や支出、将来の希望などを整理し、お金の面から生活の計画を考えます。教育、住まい、老後など、必要になるお金は一つの分野だけではありません。保険や税金なども合わせて見るため、幅広い知識が関係します。
例えば、将来引っ越したいと考えたとき、毎月いくら用意できるか、ほかに予定している支出はあるかを見ます。病気やけがで働けない期間ができる可能性なども、生活の計画と関わります。FP3級では、こうしたお金の話を理解するために必要な、制度や考え方の基本を学びます。
FP3級で学ぶ内容は、大きく六つの分野
FP3級の学習範囲は、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継に分かれます。見慣れない分野名もありますが、保険、税金、住まいなどの言葉に置き換えるとイメージしやすくなります。最初は、何を扱う分野かを知るところから始めましょう。
| 学習する分野 | 内容の例 | 身近な場面 |
|---|---|---|
| ライフプランニングと資金計画 | 社会保険・年金・生活の計画 | 将来の生活費を考える |
| リスク管理 | 生命保険・損害保険 | 保障の内容を確認する |
| 金融資産運用 | 預貯金・株式・投資信託 | 商品の特徴やリスクを知る |
| タックスプランニング | 税金・所得・控除の基本 | 給与や税金の言葉を理解する |
| 不動産 | 住まいの取引や関連する税金 | 住宅の情報を読む |
| 相続・事業承継 | 相続・贈与の基本 | 家族の財産の話を知る |
一つの分野をすでに知っていても、ほかの分野に初めて見る言葉が出てくることがあります。年金に興味がある人、保険の仕組みを知りたい人など、学び始めるきっかけはさまざまです。試験を目指す場合は、好きな分野だけで終えず、範囲全体を学ぶ必要があります。教材の目次を見ながら、学んだ場所を確認して進めます。
保険や年金は、生活の安心と関わる仕組みを学ぶ
保険の分野では、どのような出来事に備える仕組みなのか、保険にはどのような種類があるかを学びます。年金や社会保険の分野では、公的な仕組みの基本を扱います。名前を聞いたことがある制度でも、何のためにあるかを確認すると、生活のお金との関係を考えやすくなります。
例えば、保険の資料を読んだときに、何が保障の対象か、どのような条件があるかを意識するきっかけになります。FP3級を学べば、すべての人に合う保険を自動的に選べるものではありません。実際の契約内容や個人の状況は別に確認する必要があります。まずは説明を理解し、必要なことを質問できる土台として考えましょう。
税金や資産運用は、言葉と仕組みの基本を知る
税金の分野では、所得税の基本や控除などを学びます。控除という言葉を見て意味が分からなかった人も、計算の仕組みと合わせて知ることで、給与や税金の説明を読む手がかりになります。金融資産運用では、預貯金、株式、投資信託などの特徴や、お金を運用するときのリスクに関する基本を扱います。
FPの勉強は、特定の商品を買えばもうかるという方法を覚えるものではありません。商品の特徴、費用、リスクなどを知り、情報を比べるための基礎を学びます。税金や金融制度は変わることがあるため、受験する時点に対応した教材を使います。学んだ知識を実生活で使う場合も、最新の条件を確認することが必要です。
試験には学科と実技があり、両方の合格が必要
FP技能士になるには、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。3級は、指定のテストセンターのパソコンを使うCBT方式で受検します。実技という名前でも、面接で相談を実演する試験という意味ではありません。日本FP協会の3級実技は、資料や事例を使った多肢選択式の問題です。
日本FP協会の3級では、学科は90分・60問で36点以上、実技は60分・20問で100点満点中60点以上が合格基準です。実技の内容は実施団体で異なるため、教材や申込みの案内が自分の受ける試験に対応しているか確認します。試験範囲を読んだ後は、基本問題や事例問題で、知識を使って答える練習も行います。
初めて学ぶ人は、身近な用語から進めてみよう
FP3級の受検資格は、FP業務に従事している人、または従事しようとしている人です。申込時には最新の要綱で条件を確認します。学び始めるときは、いきなり細かい数字を全部覚えようとせず、制度の目的と用語の意味を確認してみましょう。例えば、保険や年金など、自分が聞いたことのある言葉を入り口にできます。
説明を読んだら、同じ分野の基本問題を数問解きます。似た言葉を取り違えた場合は、何を対象とする制度なのかを比べてみましょう。計算問題もあるため、式の意味を理解して練習する必要があります。毎日の学習と復習の時間を作り、教材の内容を自分の言葉で短く説明できるか確かめると、理解の進み具合が分かります。
FP3級と、ほかのFP資格の違いも知っておく
FPには1級・2級・3級のFP技能士のほか、AFPやCFPという資格もあります。それぞれ取得の条件や制度が異なり、FP3級に合格しただけでAFPやCFPになるわけではありません。まず3級で基本を学び、その後に目標や仕事に合わせて次の資格を考える方法があります。
FP3級の合格は、税理士などの専門職が行う業務の権限を得たことにもなりません。身に付けた知識を、どのような場面で使えるかを分けて考えることが大切です。仕事で役立てたい人は、求人や担当業務で求められる知識も確認しましょう。生活に生かしたい人は、学んだ用語と身近な資料を結び付けることから始められます。
FP3級は、暮らしのお金を知る入り口になる
家計、保険、年金、税金などのお金の話は、普段の生活にも関わります。FP3級では、それらを幅広く学ぶことで、どの制度や情報を確認すればよいか考えるための基本が身に付きます。最初から詳しくなくても、用語の意味と制度の目的を一つずつ理解していけば、学習を進められます。
まずは教材の目次を見て、気になる分野の入門説明を読んでみましょう。生活で聞いた言葉と学習内容がつながると、勉強する理由も見つけやすくなります。FP3級は、今の暮らしと将来のために、お金の基本を知りたい人が検討できる資格です。
